昔の職人は朝早くから大きい声で「おはよう。おはようございます」と見知らぬ人や子供にも声をかけていた。職人仲間だと、小さい声で挨拶したら「おい、病気かよ。何か心配事でもあるのかよ」と言われるのが関の山であった。況して近所であれば「今日はどこに行くの」と声を掛けられ「ちょつとお使いよ」と言えば「気負付けていきな」と言って見送ってくれる時代でもあった。それに夕方や日暮れなどは「今晩は、お帰り」と会うたびに声をかけてくれる時代でもあった。
今、コロナ渦でマスクをしていれば誰だか分からない為か挨拶をしなくなったような気がする。ある新聞にアメリカ・ドイツ・日本で「困った時に友達や近所に助けを求めるか」と言うアンケ-トで、ドイツは8割近く、また、アメリカは6割、日本は3割で1番低く、近所や友達のお付き合いが無いことが分かる。良く日本人は外国人は利己主義と言うが最近の日本人の方が他人に対して関わりを無くしプライバシーと言うものを盾にして人間関係を希薄にしている。特に日本人は他人に迷惑を掛けたくないという事も確かであるが、でも本当に困った時は「遠くの親戚より、近くの他人」である。昔から日本人は言葉遣いや心遣いを大事にして触れ合い、生きてきたのである。
あいさつから始めませんか? 「おはようございます」と・・・
日本人にとって大事なものは【畳】と【情緒】ですね!!
畳の上でゴロンとなって考えてみませんか?
記 穴水美樹